幸せの青い小鳥を助けたら、隣国の王子に番になってくれと求婚されました
 そう言ってシーラが嘴を優しく拭ってあげると、小鳥は嬉しそうに目を閉じている。そしてシーラの手のひらに移動すると、掌の上で座り込んでしまった。ふわふわのお腹の羽の感触が気持ち良くて、シーラは目を輝かせる。

 お腹がいっぱいになって眠くなったのだろうか、小鳥はそのままシーラの手の上で目を瞑る。シーラはあまりの愛おしさに親指で優しく小鳥を撫で始めた。すると、小鳥はうっとりとした顔で撫でられている。

(ああ、なんて可愛いのかしら!こんなに可愛らしい生き物、見たことが無いわ!)

 小鳥のふわふわの羽に加えて、命を感じるあたたかさと心臓の鼓動に愛おしさが溢れてくる。こんなにも小さな命が、自分に無防備に体をあずけてくれているのだと思うと、胸がぎゅうぎゅうと嬉しさで締め付けられるようだ。

(このままこの子をここで飼いたくなってしまうほどの可愛さだわ。でも、この子はずっと野生で生きていたのよ。ペットじゃないし、いつかはちゃんと森へ返してあげなきゃ。この国は野生動物を保護しても特に届けはいらないけれど、他の国では届けが必要な国もあるみたいだし、勝手に飼育すると処罰される国もあるみたいだもの)
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