幸せの青い小鳥を助けたら、隣国の王子に番になってくれと求婚されました

「そうよね、喉、乾いていたわよね。たくさん飲んで」

 フフッと嬉しそうにシーラが言うと、小鳥はちらりとシーラを見てからまた水を飲む。そして、飲み終わるとすぐにお皿から降りて木の実へ足を進めた。

 二本脚でぴょこぴょこと飛び跳ねるように進む姿はとても愛らしい。シーラが愛おしそうな瞳で小鳥を見守っていると、赤い小さな実の前で立ち止まり、赤い実をついばむ。そして、一つを難なく丸っと飲み込んだ。そして、次から次へと赤い実をついばんでいく。それが終わると、今度は紺色の少し大きな実の前にきて、またついばみ始めた。

 小鳥を観察していると、赤い小さな木の実と紺色の少し大きめの実がお気に入りらしい。

「その二つが好きなのね。わかったわ」

 シーラがそう言うと、小鳥はお腹がいっぱいになったのか、シーラの手元へ飛んできた。急に羽ばたいてきたので、シーラは驚く。

「少しなら飛べるの?それとも、もうちゃんと飛べるのかしら?でも、それだったら部屋の中をもっと飛び回って良いはずだけど……」

 シーラがそう尋ねると、小鳥ははて?という顔をしてシーラを見つめている。ふと、小鳥の嘴の端に木の実のカスが付いているのが見えて、シーラは思わず微笑んだ。

「お口に木の実のカスがついているわ。ふふ、可愛い」
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