幸せの青い小鳥を助けたら、隣国の王子に番になってくれと求婚されました
シーラの住むルラド王国では野生動物の保護についてはあまり厳しくないが、国によっては感染症の恐れや絶滅危惧種の調査などで、保護に対して届け出や報告が義務づけられている国もある。ましてや、野生動物だと思っていたら実は魔物でした、なんてこともあるため、可愛いからというだけで安易に飼育するのは危険なのだ。
(念のため、屋敷に連れて来てすぐに鑑定魔法で感染症の有無と魔力の有無を確認したけど、感染症は無さそうだった。魔力についてはなぜか鑑定ができなかったけれど……どう見ても獰猛な魔物には見えないわ)
森へ返したら、またあの野蛮そうな人間たちに追いかけられてしまうかもしれない。ここにいた方が、ずっと安全なのではないだろうか。だが、それでもそれを勝手にこちら側で決めつけるわけにはいかない。もしかしたら、この子にだって家族がいるのかもしれないのだ。
(とにかく、野生でもまた生きて行けるようになるまではここで保護して、ちゃんと生きていけるようになったら森へ返してあげよう)
シーラはそう心に決めて、また優しく小鳥を撫でた。