短編集 怖い話
ケーキいる?
ねえ、知ってる?
夜にひとりで帰ってると、「ケーキいる?」って声をかけてくる人がいるんだって。
その人は白い箱を持って、ニコニコ笑ってるんだ。
でも、その笑顔は、なんだかちょっとこわいらしい。
ぼくの友だちのユウタが、この前その人に会ったんだ。
学校の帰り道、暗くなったころ。
コンビニの前で、知らない女の人が立ってて言った。
「ケーキいる?」
白い箱を持って、にっこりしてる。
けど、どこのお店の人かもわからない。
ユウタは「いりません」って言って、足早に歩き出した。
そしたら、背中のうしろから声がした。
「ケーキいる?」
どんどん近くなる。
「ケーキいる?」
耳を塞いだら、耳のすぐそばで
「ケーキいる?」
ユウタはこわくなって、全力で家まで走った。
ドアを閉めて、カギをかけて、ふぅっと息をつく。
もう大丈夫……そう思ったとき。
「ケーキいる?」
玄関の外から、あの声がした。
「ケーキいる? ケーキいる?」
何度もくり返すうちに、声が変わっていった。
低くて、男の人みたいな声に。
「……凶器ある?」
ドアノブが、ゆっくり回った。
たしかに鍵をかけたはずなのにドアが開いていく。
ユウタは声も出せずに立ちすくんだ。
コン、コン。
ドアのすきまから、白い箱がスッと入ってきた。
ふたが少し開いていて、中が見えた。
そこには、ユウタの写真が入っていたんだって。
――でも、次の日、ユウタは学校に来なかった。
夜にひとりで帰ってると、「ケーキいる?」って声をかけてくる人がいるんだって。
その人は白い箱を持って、ニコニコ笑ってるんだ。
でも、その笑顔は、なんだかちょっとこわいらしい。
ぼくの友だちのユウタが、この前その人に会ったんだ。
学校の帰り道、暗くなったころ。
コンビニの前で、知らない女の人が立ってて言った。
「ケーキいる?」
白い箱を持って、にっこりしてる。
けど、どこのお店の人かもわからない。
ユウタは「いりません」って言って、足早に歩き出した。
そしたら、背中のうしろから声がした。
「ケーキいる?」
どんどん近くなる。
「ケーキいる?」
耳を塞いだら、耳のすぐそばで
「ケーキいる?」
ユウタはこわくなって、全力で家まで走った。
ドアを閉めて、カギをかけて、ふぅっと息をつく。
もう大丈夫……そう思ったとき。
「ケーキいる?」
玄関の外から、あの声がした。
「ケーキいる? ケーキいる?」
何度もくり返すうちに、声が変わっていった。
低くて、男の人みたいな声に。
「……凶器ある?」
ドアノブが、ゆっくり回った。
たしかに鍵をかけたはずなのにドアが開いていく。
ユウタは声も出せずに立ちすくんだ。
コン、コン。
ドアのすきまから、白い箱がスッと入ってきた。
ふたが少し開いていて、中が見えた。
そこには、ユウタの写真が入っていたんだって。
――でも、次の日、ユウタは学校に来なかった。


