【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
「わたしはもう平民なのですよ? 絶対に無理ですから!」
「ああ、それなら安心してほしい。シルヴィーはレルナード公爵家の養子ということにするから問題ないよ」
「……!?」
「レルナード公爵も君たちを受け入れることを快く承諾してくれた」
シルヴィーは社交界について詳しくないが、レルナード公爵家とは国王の弟が爵位を賜ったと聞いた。
(どういうことなの……? レルナード公爵はそれでいいの!?)
レオナード公爵はかなり頭はいいが変わり者。
屋敷に引きこもりがちでさまざまな研究に没頭しているそう。
彼のおかげでアデラールも毒に対する耐性もできたと聞いて驚いていた。
今まで王族は苦しい思いをして毒に慣らしていたが、彼のおかげで簡単に耐性をつけられるようになったらしい。
その他にも疫病の薬を開発したりと大活躍だった。
今回の件を受け入れる代わりにアデラールは潤沢な研究資金を提供する約束をしたそうだ。
彼は研究にしか興味がないようだが、シルヴィーの母が望むなら、王弟と結婚しても構わないと聞いてシルヴィーは驚愕していた。
もちろん社交は最低限でいいそうだ。
母のことまで考えてくれるのは嬉しいが、昨日まで平民として暮らしてきたため、すぐに受け入れることはできない。
アデラールはいつかこうなることがわかっていて受け入れる準備を進めてきたのだろうか。
だけど平民から、公爵令嬢や王太子妃になる可能性があるとは思いもしなかった。
(ま、まさかこんなことになるなんて……)