【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
泣き止んだホレスは確認するようにシルヴィーを見上げる。
恐らく本当にここでアデラールと暮らすのかと確認しているのだろう。
アデラールから感じる笑顔の圧。
ここで彼が父親であることを否定することはできない。
シルヴィーはヘラリと笑いつつ、頷くしかなかった。


「……ん」


ホレスは納得したのか、頷くと少しずつ体を離す。
シルヴィーはホッと息を吐き出した。
だが、寝間着はホレスの涙や鼻水でびしょびしょになってしまったようだ。


「ぱぱ、あそぼっ」

「……!」


アデラールはホレスにパパと呼ばれたことに心の底から嬉しそうにしている。
わかりやすい感情の変化に親近感を覚えて笑みが溢れた。
アデラールはホレスを軽々と抱え上げてから頬を擦り寄せる。


「うん、たくさん遊ぼうね」

「ちょーだい!」

「……なにを?」

「ちょーらい、ぴょんぴょん」


ホレスはここで遊びたいと伝えているが、侍女たちは何がいいたいのかわからずに困惑している。
見かねたシルヴィーがホレスの意思を説明すると納得したように「おもちゃを持ってまいりますね」と、慌てて部屋から出て行った。

それからシルヴィーの前でホレスとアデラールが遊び始めた。
なんだか不思議な光景である。
ホレスもアデラールと遊ぶのが嬉しいのか、楽しげに声を上げながら遊んでいる。
幸せそうな彼と楽しげなホレスを見つめながら、シルヴィーはこれからのことを考えていた。
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