【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜

『わかった。ならシルヴィーを追い出してラディング侯爵に売り飛ばそう』

『売り飛ばす……? そんなことできるの!?』


ミリアムは全身に鳥肌が立つほどに喜びに溢れていた。
父の作戦はこうだ。金を得ていらなくなったシルヴィーを処分する。
今まで育ててやった恩を返してもらうために金に変える。
その縁でラディング侯爵と新しい事業を進めるため、今後も金に困ることはないという。

それにシルヴィーの処分の仕方は、彼女の尊厳を踏み躙り、地獄に堕とす最高のシナリオだった。


『シルヴィーの部屋に招待状と生贄の目印となる仮面を置く。居場所がなくなればそこにいくしかないだろう?』

『お父様ってば……なんて素晴らしい提案なの!』


彼女はレンログ伯爵家を追い出した後、夜会でラディング侯爵に売られるのだという。
あまりにもおかしすぎて笑いが止まらない。
シルヴィーは知らないだろうが、ラディング侯爵の醜悪な見た目は令嬢たちから嫌厭されている。
でっぷりとしたお腹にはちきれんばかりのボタン。汗臭い匂いに鼻をつまみたくなる。

だからこそ金で訳あり令嬢を買い取っては娶っているという。
社交界では有名な話で、落ちぶれた令嬢が行き着く場所なのだ。

地位も婚約者も立場も奪われたシルヴィーは、金と引き換えにゴミだめに向かうらしい。
貴族の令嬢が平民になることなんて不可能だ。
シルヴィーは彼の何番目かもしれない妻になるしかない。

もしかしたら自分を助けてくれる王子様と出会えると夢を持っているのかもしれない。
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