【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
国王と王妃が何かを言う前に、この話は終わりとばかりに手を叩いたアデラール。
彼の合図に合わせて従者が花束を手にこちらにやってくる。
アデラールはそれを受け取ると、シルヴィーの元に跪いて花束を渡す。


『あ、ありがとうございます……!』

『明日は甘いものを持ってくるね。きっとシルヴィーも気にいるよ』

『……はい』


アデラールはいつもプレゼントを持ってくる。
甘やかしてくれるのはありがたいが、シルヴィーの部屋にはアデラールが持ってくるプレゼントとホレスのおもちゃで溢れかえっていた。

ホレスは環境が変わった影響なのかシルヴィーにべったりだ。
アデラールも忙しそうだが、隙あらば部屋にいてシルヴィーとホレスと過ごす時間を取る。
その後、執事がやってきてアデラールに何かを告げて名残惜しそうに部屋から出ていくことがほとんどだ。
与えられることに慣れていないシルヴィーはそれだけで申し訳なくなってしまう。

今日もアデラールの元に執事がやってきて耳打ちする。
彼は二人に『余計なことは言わないでくださいね』と笑顔の圧をかけている。

国王と王妃はアデラールに止められたためか何か言いたげに口を開いたり、閉じたりを繰り返していた。
二人はアデラールにさっさと行けと言わんばかりに部屋の外へと追い出してしまう。

その時のアデラールの顔は恐ろしすぎて直視することができなかった。
ついに国王と王妃、シルヴィーの三人だけになってしまった。
扉の向こう側から見えない圧を感じるのだが気のせいだろうか。
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