【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
国王が扉から顔を出してアデラールがいなくなったことを確認すると親指を立てて王妃に合図を送る。

すると王妃は縋るような表情でシルヴィーの両手を包み込むように握る。
王妃は訴えかけるようにして叫んだ。


『シルヴィー、あなたに言いたいことがあるの!』

『は、はい! なんでしょうかっ』


目を見開いてこちらを見る王妃と国王のあまりの勢いにシルヴィーは背をのけぞらせる。
今から何を言われるのか、シルヴィーは緊張して心臓が飛び出そうになっていた。

(お二人はわたしが逃げ出した原因はアデラール殿下だと思っているのよね……)

このまま嘘をつき続けるのはよくない。真実を話すべきかシルヴィーが迷っていると……。


『──シルヴィー、ここに留まってくれて本当にありがとう。感謝しかないわ!』

『え…………?』

『あの子、あなたにすごく執着しているでしょう? マリアも別の意味でそうなのだけれど、十三年前からずっと想い続けていたのよ!? いつもあなたの話ばかりしていてね』

『執着、ですか?』


マリアがシルヴィーしかいないと言ったことも大きいそうだが、それにしてもアデラールの執着の仕方は半端ないのだと聞いて驚愕していた。

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