【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
ミリアムはピタリと動きを止めた。
(今、なんて言ったの……?)
聞き間違いでなければシルヴィーが公爵家の養女となり、王太子妃になると聞こえなかっただろうか。
「それに元レンログ伯爵夫人を毒殺の危機から救ったんですって!」
「幼かったはずなのになんて勇敢なのかしら。元夫人を守ったのね!」
「えぇ、元夫人はレオナール公爵邸で公爵様と仲睦まじく暮らしているんですって」
「親子で幸せを掴んだのね。なんて素敵なのかしら……うらやましい」
ミリアムは顔を隠していたストールを取った。
風に靡いていたストールが突然、発火して真っ赤な炎を帯びる。
「……きゃっ!」
「な、なに……!?」
突然の火に驚いた女性たちの視線がこちらを向いた。
ミリアムの髪や顔が露わになり、誰かわかった瞬間に女性たちは表情を曇らせた。
「最悪だわ。行きましょう」
「……えぇ」
「待ちなさいよ……っ!」
ミリアムは逃げ出そうとする女性たちを火を使い引き止める。
彼女たちが逃げられないように周りを火で囲む。
「あなたたち、燃やされたくなかったら答えなさい!」
「そ、そんなことしたらあなたは……っ」
「そうよ! 脅して魔法を使えない人たちを傷つけたら罰をっ」
「──うるさいっ!」
「ひっ……!」