【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
それからシルヴィーの日課がもう一つあった。
それはアデラールの妹で王女であるマリアとのお茶の時間である。
体調がいい時に限るが、彼女の技術を見て盗んでいた。
マリアの所作は美しくていつも見惚れてしまう。

シルヴィーはマリアに初めて会った日のことを思い出す。
彼女はシルバーの腰まで長い美しい髪にくりっとした大きな目。
まるで人形のように美しくて、初めて見た時は「女神様みたい……」と、本音が口から出てしまいマリアに笑われたのだ。


『あなたの方こそわたくしを救ってくれる女神様なのよ』

『……え?』

『ふふっ、なんでもないわ。今までわたくしの泣き顔を見たのはアデラールお兄様とあなただけよ? だからあなたは特別ね』


マリアは体調がよくないようで、ベッドで上半身を起こしていた。
隙間からは細い手足首がのぞく。
マリアと話していると、やっとシルヴィーと会えたことが嬉しいと言ってくれた。
彼女はシルヴィーにずっと感謝を伝えていたが、その後は興奮しすぎて吐血。
城は大騒ぎで、何人もの医師がやってきた。
それから少しずつマリアはシルヴィーに慣れていき、今ではお茶を飲めるようになった。

ちなみにホレスと初めて会った時はもっとひどかった。
『アデラールお兄様の幼い頃っ◯×▼*×るうぃいいっ!』
という、声を発しながら気絶するかと思いきや、興奮で鼻血を噴射した。
自他共に認めるブラコンのマリアは、幼少期のアデラールにそっくりなホレスを産み出してくれたことに感動しているらしい。ホレスはマリアに怯えていた。
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