【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
柔らかい生地が何層にも連なり、ゆったりとしたスカートはシルヴィーが動くたびに風に揺れる花びらのように揺れ動く。
ウエストは絞られており、デコルテも綺麗に見せてくれていた。

(さすがリーズさんだわ。素敵なデザイン……)

それにレースによって華やかさが加わり、シルヴィーの魅力を引き立たせている。
信じられないくらい指通りが滑らかなイエローゴールドの髪にはアデラールからプレゼントしてもらった髪飾りがある。
大ぶりな宝石はネックレスとイヤリングと同じだ。

(こんなふうにお姫様のようになることが、幼い頃からの夢だったのよね……)

平民になったのは仕方ないと思いながらも心のどこかでは、ずっとこうなることに憧れていたのだ。
強制的に押し込めていた願望が次々と叶っていく。
今はつらくとも積み上げていた努力は報われるのだと幼い自分に教えてあげたい。
こんなにも綺麗なドレスを着て、ここに立てていることが誇らしい。

(夢みたい……まさかこんなことになるなんて)

すると扉をノックする音が聞こえる。
ホワイトの生地とラベンダー色の差し色があり、ゴールドの装飾品が美しい。
いつものアデラールも魅力的だが今日はとびきり麗しい。
前髪も少し上げているからか雄々しい雰囲気に目を合わせられなくなってしまう。

(アデラール殿下が眩しすぎて直視できない……!)

このままでは不審に思われてしまうとなんとか顔を上げる。
するとアデラールの頬がほんのりと赤くなっているではないか。
予想もしない表情にシルヴィーは動きはピタリと止める。
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