【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
「アデラール殿下?」

「困ったな…………君が、美しすぎて目を合わせられそうにない」

「…………ッ!?」

「どうしよう。誰にも見せたくないな。ああ、今すぐに僕だけのものにしてしまいたい」


アデラールの言葉を受けて、シルヴィーの顔にどんどん熱が集まってくる。
すると正装のホレスがリサとともに顔を出す。シルヴィーと目が合うと、嬉しそうにこちらに駆け寄ってきた。


「母上、おひめさま!」

「ふふっ、ありがとう。ホレスはかっこいい王子様ね」

「父上よりもかっこいい?」

「ホレスは世界で一番かわいいわ」

「ぼく、かっこいいがいい!」


ホレスは不満をアピールするように頬を膨らませている。
そんなところも天使すぎてうっとりしてしまう。


「ホレス、かっこいいはまだ譲れないよ。僕はシルヴィーの一番かっこいいでいたいんだ」

「むぅ~」


さらに膨らむホレスの頬は破裂しそうだ。シルヴィーはホレスのぷにぷにの頬をつつく。
アデラールはシルヴィーの頬にキスをするとホレスは抱っこを求めるように手を伸ばした。


「父上、ずるい! ぼくもっ」


アデラールがホレスを抱え上げると、シルヴィーの反対側の頬に口付ける。
幸せすぎて自然と笑みがこぼれる。
ホレスの頬を撫でる手も今では別人のように綺麗になった。

三人で会場に向かって歩いていくと、歓声や拍手が聞こえてくる。

(今日はあの人たちと顔を合わせるのね。たとえ何があったとしても、わたしはもう逃げない。しっかり向き合わないと……)

大きな扉の前で緊張から自然と顔が強張っていくが、アデラールがいつものように微笑みを向ける。
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