【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
前もって彼らに別れと感謝を伝えられたのはよかったと思うべきか。
みんなに感謝しつつ、シルヴィーは屋敷を出る準備を進めていく。

父が納得するか疑問だったが、彼はシルヴィーをあっさりと切り捨てた。
ロランとの婚約により多くの金を得たことで、シルヴィーでなくてもミリアムが結婚してもいいと考えが変わったらしい。
この浪費速度ならば金は使えばなくなってしまう。彼らの行先がすぐに見えるような気がした。

シルヴィーや執事がいなくなれば、今まで見えていなかった恐ろしい現実が一気に押し寄せてくるだろう。
もう彼に対して未練も後悔もない。
彼らに何があろうとも、シルヴィーが手を差し伸べることは二度とないのだから。
そう決意して顔を上げる。

領民たちが苦しむことだけが心残りだったが、今のシルヴィーにはなんの権限もない。
申し訳なさでいっぱいだったが、シルヴィーは執事や侍女たちに別れを告げて荷物をまとめていた。
本来ならば、落ち込み絶望するところではあるが下準備はバッチリである。

準備が完璧だったことや母と新しい暮らしができることにシルヴィーは明るい気持ちで屋敷を出た。

(やっとここから解放される。わたしの新しい人生が始まるんだわ!)

けれどシルヴィーには平民になる前にひとつだけしてみたいことがあった。
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