【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
『この歳でここまでとは……素晴らしいです!』
『アデラール殿下は天才です! この国の未来は安泰ですな』

本来ならば苦労するものも、少し見ただけで大抵はなんだってできてしまう。
欲しいものは立場上なんでも手に入り、勉強も剣も人間関係ですら、アデラールにとっては簡単な部類になるだろうか。
欲しい、足りない……それらはアデラールにとっては無縁な感情かもしれない。
何か新しいことを探しても心は満たされない。アデラールにとっての天敵は退屈だった。
そんな自分がひどくつまらない存在に思えた。
結局は踏み込む勇気も踏み込まれることも怖いのだ。人の役に立てば、こんな自分でもここにいていいといわれるような気がした。

我慢をしているわけではないが感情を押さえつけているのも確かだ。
リミッターが外れてしまった時、自分がどうなってしまうのかが恐ろしい。
婚約者でもできれば考え方が変わるかと思いきや、肝心の婚約者が見つからない。

(……運命の出会いなど本当にあるのだろうか)
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