【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
シルヴィーは震えが止まらなくなった。
そんなシルヴィーの気持ちを見透かすように、アデラールがイエローゴールドの髪とラベンダー色の令嬢を探しているという情報を耳にした。

(つまりアデラール殿下はわたしを捕まえて罰するために探しているということ!?)

シルヴィーはしばらく髪を隠しながら過ごしていた。
しかし異変に気づくのはすぐだった。
月のものがこない。体調もどんどんと悪化していく。
ついに悪阻を隠すことができずに母に相談。

二人はシルヴィーのことを案じて心配してくれたが、シルヴィーは未知の恐怖と具合が悪すぎてメンタルをやられていた。
シルヴィーはまさか自分が妊娠しているとは思わなかったからだ。

母たちはシルヴィーの妊娠がわかると、夜会の日にあったことを察したはずだ。
恐らく騙さられて関係を迫られたに違いないと思っている。

だが、実際は逆。シルヴィーが名も知らない青年を襲ったのだ。
無理やりシャツを引きちぎり、馬乗りになった時のことを思い出そうとすると恐ろしくてたまらない。

(でも抵抗できたはずなのに……。そういえば彼の様子も少しおかしかったから、もしかしたらお酒で酔っていたのかしら)

今さらながら気づくことができた微かな違和感。
シルヴィーを跳ね除けることなどたやすいはずなのに。
挙げ句の果てに動けない彼にシルヴィーは好き放題して逃げしてしまったのだ。

(もしかして、わたしとアデラール殿下の子が……?)
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