【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜

「シルヴィー、またご指名よ?」

「はい、わかりました!」


定期的にシルヴィーの作ったものが欲しいと指名が入ることがある。
貴族からの注文で、残った魔力からシルヴィーのことを特定しているそうだ。


「いいなぁ……シルヴィアたちには敵わないのよねぇ」

「シルヴィアのレースは綺麗だし早いし羨ましいわ。アタシも魔法使えたらいいのに」

「ふふっ、ありがとうございます。がんばります」


本来なら専用の道具を使わなければならないレース。
本来ならばボビンと呼ばれる糸巻きを複数使い、糸同士を交差させながらピンで留めて固定して模様を描いていく。
糸の宝石とも呼ばれるほどだ。
時間はかかるがその分、繊細で美しい模様が出来上がる。
最近の流行りはレースなため、リーズがいち早く取り入れたのだ。

半年から一年以上かかる難しいものだが、シルヴィーたちの魔法を使えば倍以上の速さでするすると編めてしまう。
母とシルヴィーの魔法のおかげで高品質ないいドレスが、短期間でたくさんできていた。

(ホレスを育てるためだもの……! がんばらないとね)

ホレスの天使のようなかわいらしい寝顔を見るだけで、いくらでもパワーをもらえるような気がした。
あの屋敷を出て母と一緒に暮らすようになって常に笑顔があふれている。
こんな幸せがいつまでも続けばいいのにと思っていた時だった。
するといつもよりも興奮した様子のリーズがシルヴィーを見て目を輝かせた。
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