【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
「シルヴィア……ホレスのことで気になることがあるんだけど」

「……どうかした?」

「ホレスがね、おもちゃを浮かせていたってうちの子が言っていたのよ。もしかしてホレスはもう魔法が使えるのかしら?」

「…………!?」


シルヴィーの心臓がドクリと脈打つ。
リサがここに来た過去はわからないが彼女も魔法を使うことができた。
ということは元貴族なのだろう。
だからこそすぐにホレスが何らかの魔法を使ったことがわかったのだ。


「最近、おもちゃを投げて飛んだっていうのに、はまっているみたいなの。だからかしら……」


シルヴィーはリサの顔が見ることができなかった。
冷や汗が滲む。ほぼ毎日、一緒にいるためリサの鋭い一言にはドキッとしてしまうことがある。


「ふふっ、そうよね。うちの子たち、ホレスが魔法を使えるって興奮気味に言うからかわいくて」

「そ、そうなのね。今日は本当にありがとう。またわたしが休みの時は二人を預かるわ」

「えぇ、お願いね!」


リサの部屋を出てホレスの手をぎゅっと握りつつ自室に戻る。
ホレスもシルヴィーの様子が違うことに気づいているのだろう。


「ホレス、人の前で力を使ってはダメよ?」


ホレスは首を横に振るだけだ。
幼い彼には絶対にやらないというのは難しいのかもしれない。
ホレスはというと、自分の手をじっと見つめながら何かを考えているように思えた。

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