運命的な出会いには裏がある。
 先にジムから戻って急いでクローゼットを開ける。

 異性と2人で出掛けるなんて普段ないからまともな服が無い。今から買いに行く時間も無いし、どうしたものか悩んでしまう。

 今日はひとまずそれなりのおかしくはない恰好をして、出掛けることにした。初音に今度手伝ってもらって、服を選びに行くことにしよう。

 着替えてメイクをして軽く髪を整えて、暖の戻りと準備を待つ。

 別にただ話すだけなのは何も思わないのに、急にご飯の約束をしたら緊張してきた。恋が始まっても良いのかもと思った瞬間、意識せずにはいられない。

 1時間程経過したくらいで、家のインターホンが聞こえてきて暖が来たのかもと慌てて立ち上がる。それから念の為インターフォンモニターを見ると、紛れもなく暖で鞄を持って慌てて、家から出る。

 ドアを開けると勢いで少し驚いた暖がこちらを見ていて、私の姿を見るといつもの笑顔を向けてくる。


「おまたせ。出れる?」

「出られるよ。どこ食べに行く?」

「何食いたい?」

「うーん…」


 本当は焼肉とかラーメンとかファーストフード店のバーガーとか、そう言うのが好き。だけどどれも少し気になっている異性と出掛ける様な場所ではない気がする。
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