運命的な出会いには裏がある。
 中華屋に行くと、本当に誰でも気軽に入りやすそうなお店だった。ただし、男性ならば。

 確かにこのお店に女性一人では少し入りづらいかもしれないが、そう言うお店もあるよなと割り切った。

 そんな日が来るかは分からないけど、私だっていつか暖に男性は入りづらいカフェとかに一緒に行ってもらう時が来るかもしれない。


 …そんな予定ももちろん何も無いけれど、こういう時でも希望は捨てないことが大事なのだと思う。By 琴葉


 そんなふざけた思考をしながら二人掛けのテーブルに暖と向かいあって座る。

 席に着いて2人でメニューを見ていると、すぐに店員がお冷を出してくれた。手に取ろうとグラスを見ると、中に入っていたのはお冷ではない。烏龍茶だった。


「烏龍茶?」

「そう。ここ水じゃなくて烏龍茶なの。俺はこれ気に入ってるけど、水に変えてもらう?」

「いや、不思議に思っただけだから、これ貰う!」

「びっくりするよな。でも、たまにラーメン屋とか行くとない?水じゃなくて緑茶出してくれたりする店」

「ある!この近所にもあるよね!」

「そう、そんな感じなのかなって勝手に思ってた。何も知らねぇけど」


 ちょっと適当な感じも暖らしい緩さがあっていい。
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