運命的な出会いには裏がある。
 外でご飯を食べてまだ20時頃、暖はスマートフォンを見て「この後まだいける?」と声を掛けてきた。


「明日休みだしいいよ」

「俺も休み、明日は。今日泊まりにくる?」

「あ……、うん」


 このお泊まりのお誘いはまだ慣れていないからか少し照れ臭い。

 暖は私の返事に嬉しそうにすると「やった」と少し笑って、私の手を繋いで歩き出す。


「でも連れてきたいところある。仕事帰りにたまに1人で行くんだけど、結構景色良くて」

「あ、そうなんだ。夜歩くのとか好きなの?」

「結構好き。柄でもないって言われるけど、景色とか眺めてんのも好きだし、夜の静まった住宅街とか歩いて気温が丁度いい感じとか、滅茶苦茶好き」

「夜中にお散歩、が好きなんだ?」

「そうかも。だから夜中に思い立ったようにコンビニ行ったりする」


 そう言いながら笑って話している。
 私はそもそも外に出るのがそんなに好きじゃないけど、たまに暖の家に行った時に夜中に2人で歩くあの時間は結構好きかも、なんて考えていた。


「他に好きな事は?」

「他?なんだろ。ゲームもほどほどにやる。後は、たまに1人で飲みに行くし…、これと言ってないな」


 ゲームとか好きそう、は分かる。
 普段からやり込んでいる様子は無いけれど、暖の部屋にはゲーム機が揃えられている。
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