運命的な出会いには裏がある。
Epilogue
────────パシャパシャパシャパシャッ。



「…立派なカメラ持って何してんの。琴葉」

「推しの素晴らしい姿を撮ってる」


 この日の為に普段使わないお金をこれでもかと奮発して買った立派なカメラ。暖はこれで写真を撮られて苦笑いしている。

 画質が綺麗な分さらにうちの彼氏の格好良い姿が撮れてしまった。

 今はグランピングのテントの前で空を見上げていた暖を撮っていたところだった。

 陽の光に照らされている黒髪ですらも輝いていて、それでいてシャツが捲られて出ている腕の逞しさとか全てにおいて格好良い。

 晴天で絶景の景色に、グランピングをするには最高の景色だった。


「おいで琴葉」


 おいでの破壊力がやばくて、思わずカメラを落としそうになりながらも、カメラを一旦おろして暖の元へ向かった。

 私の肩を抱き寄せると、暖はスマートフォンのカメラをインカメにして私達に向けて写真を撮る。

 暖は良い笑顔をしているのに私だけ驚いている顔をして間抜けだ。
 だけど私と写っている暖の笑顔が本当に本当に眩しくて格好良い。
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