運命的な出会いには裏がある。
「てか、近くに川もあるってそっちの方散歩して涼みに行ってみる?夕飯まで滅茶苦茶時間あるし」

「そうしよう。てかこんな大自然で遊ぶの久し振りかも」

「琴葉まじで外出ないもんな」

「買い物とか最近マジでネットで済ませるから出る用事が無い」


 暖は私の言葉に笑って、私の手を取ると歩き始める。

 いまだに暖は私がネットで頼んだ品物をシフトが合う時は我が家に荷物を運んでくれる。

 家が隣だから大抵一緒に過ごすのに、私達は未だに別々で住んでいる。
 初音にはそれ意味あるの?と聞かれたけど、きっかけがないから一緒に住むって話にならないだけだった。

 暖とは時々小さな喧嘩はあるものの、基本的に上手くいっていて幸せな日々を送っていた。

 川の音が聞こえてくると何となく涼しくなったような気がした。
 まだ日が昇るこの時間帯は凄く熱いのだけど、日陰で風も吹いていて涼しい。

 暖の柔らかそうな髪は風邪に揺らされていて、思わず触れたくなって手を伸ばした。


「何?何かついてる?」


 暖は驚くでもなく少し屈んで私が触れるようにしてくれていた。
 遠慮なく空いている手で暖の髪に触れると柔らかくて、優しくそのまま撫でる。


「暖って髪柔らかいよね。羨ましい。」

「そんな事無くね?琴葉も十分柔らかいと思うけど」


 そう言いながら私の髪にも触れてくる。
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