Reunion love.
 唇を離して至近距離で見つめ合う。

 その間、私だけが余裕なく息も上がっていて、太一くんは私の顔を見ている。


「…もう、そろそろ寝る?」

「…うん」


 まだ缶の中に残ったアルコールもそのままにして、隣にある寝室に一緒に向かう。

 そんなに広くはないベッドに私は少しだけ強引に仰向けに寝かせられ、太一くんは私に覆い被さる。

 キスを交わすでもなく、太一くんはただただ私を見つめている。照れくさくて顔を逸らしてしまいたいけど、太一くんがそれを許さなかった。

 逸らそうとすると簡単に顔は戻されるし、逃げ場がない。


「あ、あの…、初めてなのでお手柔らかに…」

「は…?初めて?彼氏居たんじゃねぇの?」

「出来なかったし、そもそもその彼氏とお泊まりも初めてだし!」


 直前での私のカミングアウトに太一くんは少し目を丸くしていた。

 そりゃ別れてから2人と付き合ったと言ったら経験豊富に見えるかもしれないけれど、全然豊富なんかじゃない。

 そもそも付き合ってすぐ別れてしまうから、交際していたとこっちが覚えていても向こうは覚えていないかもしれない、そのレベルだ。


「てっきり…、てかじゃあ、あの日経験も無いのにセフレになろうとしてきてたってこと?」

「今ここでその話掘り返さなくて良いでしょ!デリカシーなし!バカ!」


 人の一番恥ずかしい思い出をこんな直前で話さなくてもいい。相変わらず気になったらその場で口に出さなければいけない様で、大恥をかいている。
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