Reunion love.
 約束の今週末、自宅の最寄りの駅前で待ち合わせをして急いで向かうと、太一くんは既に着いていた。

 黒のスーツを着ていたので、仕事終わり真っ直ぐ来たのだと分かる。特に辺りを見渡すでもなく、スマホに視線を落としている。普通に立っているだけでも気だるげで、それなのに格好良いと思ってしまうのは好きな人だからなのか。

 深呼吸してから近付いて「おまたせ。」と声を掛けると、太一くんはこちらに顔を向けてスーツのジャケットにスマホを仕舞い込んだ。


「別に。今来たところ」

「良かった。仕事終わりにこっちまで来てもらってごめんね」

「いいよ。こっからも別にそんな遠くないし」

「そっか」

「ていうか、まじで居酒屋でよかったわけ?」

「うん。今日行く居酒屋バリエーション多いし、美味しいし、値段もリーズナブルだから好きなんだ」

「結構1人で行くん?」

「頻繁にはいかないけど、大変だった仕事の後とかたまに月1くらい」

「何か意外。てか、そもそも酒飲むイメージ無いからそれも変な感じだけど」


 そう話しながら駅から徒歩10分程の場所にある居酒屋まで歩く。

 お互いの記憶が高校生でほとんど埋まってしまっていて、大人になったお互いの事をそんなに知らないからお酒を飲む姿が変な感じに見えても仕方がない。

 そもそも相手がスーツ姿なのも変な感じなのだ。
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