Reunion love.
「…言っても仕方ないって分かってるけど、やっぱ考えたりもした。その時の事が無かったら、もしかしたらまだ付き合ってたかなとか」

「…え?」

「全部今更だと思うけど、ふと考えただけ」


 そう言ってレモンサワーを飲み干すと、メニューを見ながらもう次のお酒を選び始めている。

 その発言が何だか過去にきちんと気持ちがあったと言う事を伝えてくれているような気がして、胸が締め付けられた。

 あの当時の太一くんは本当に気持ちの読み取りづらい人で、私を本当に好きで居てくれているのか分からない時があった。

 好きって言葉は交際時もらえた事があったかも定かじゃない。元々告白したのは私からで、その時も『いいよ』って一言で返事をもらっただけだ。


「…じゃあ、私からも。付き合ってた時、私の事好きで居てくれてた?」

「何その質問」

「良いから答えて」


 そう問い掛けをする私に太一くんはいつもの無表情な顔で「好きじゃなかったら付き合わないだろ」とはっきり言葉にした。

 この時初めて分かった。太一くんは付き合っていたらその好意は既に相手に伝わっている物だと思っている。

 だけど私は、定期的に言葉で聞かないとその愛情を感じられないのだ。ここでも価値観の違いを感じてしまう。彼のことは好きだけど、こんなにも合わないのでは別れても仕方ない事だったのかもしれない。
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