Reunion love.
「…男だし、そういう欲が湧かないとは言わない。言わないけど、純花だけは選べない」

「…何で?」

「元彼女と言えど大事だから。都合よく扱う気は無いし、今せっかく友達として良い関係になろうとしてるのに、それを壊すようなことしたくない」


 ずるい。私は自分を大事にできなかったのに太一くんは好きにならないって言いながら私を大事にしてくるなんて。

 それに友達だと言って大事にされるくらいなら、身体だけの関係だと言って酷く扱ってくれた方がよっぽどよかった。

 ずっとずっと我慢していた涙が限界に達する。目から溢れ出す雫を見て太一くんは少し驚いた表情をして、それから「何で泣いてんの」と問い掛けてきた。


「…もう、無理。酷いよ…、太一くん」

「全然何考えてるか分かんねぇ…」

「太一くんは、友達として、とか言うけど、私はそんな風に思えないんだよ」


 口にする気の無かったが零れて、その思いはもう止まらない。私は器用に感情をコントロールできるわけでもなかった。

 もうここで会わなくなるなら、その方が良い。


「太一くんは別れた後ほとんど私の事を思い出さなかったかもしれないけど、私は1秒たりとも忘れた事なんかない。会って普通だったとか、好きじゃないとか、そんな風に思った事なんて無い」


 そう言い切ると驚いた顔をしていた。全然全く気付かなかったなんて、相変わらず人からの好意に少し鈍くて、思わず笑いそうになる。

 私だって好きな人じゃなければ、太一くんじゃなければこんな風に積極的になって、意地でも一緒に居る事を選ばない。


「変な事言ってごめんね。もう言わないから忘れて」


 そう言ってソファーから立ち上がって足早にその場から遠のいた。後ろから「純花!」と声が聞こえてきたけど、その声には振り返らなかった。
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