Reunion love.
 コンビニに入った彼は先に商品を選ぶのではなく、雑誌などが売っているコーナーの所で意味も無く漫画や小説を見ていた。

 何かを買うために入ったと言うより、時間を潰すために入った様子だった。

 気が雑誌の方に向いている間に横顔を見ると、あの時よりも大人びているけれど、間違いなく太一くんで正体がはっきりした瞬間に胸を締め付けられた。

 一度大学で地元を出たと聞いていたから、いないと思っていたのに、まさか地元でこんな再会をするなんて驚いた。だけど挨拶をする勇気も無く、早く買い物を済ませて帰ろうと飲み物コーナーに向かった。

 久し振りなんて、どんな顔で言えばいいのか分からない。

 それに先程まで近くに女性が居て、もしかしたら恋人か好きな人だったのかもと思った。それなら送って行かないと変だけど、ここまで時間が経っていたらいない方が不思議だと思ったから。

 お茶と家で食べる弁当と甘いスイーツを手に取って、さっさとこのコンビニから立ち去ろうとレジで会計を済ませる。

 一目元気そうな姿を見られたし、遠くから見てやはり顔を合わせるべきでは無いと分かったので、同窓会も断ろうと考えがまとまった。

 買い物をすませてコンビニの外に出てまた駅まで歩き出す。

 ここで声を掛けなければ、もう会えないかもなんて、そんな事は分かっていたけれど、気を強く持った。

 あの時、かなり太一くんを傷付けたし、振った元カノに会いたい男性なんていない。
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