Reunion love.
 そう思っていたのに「あの…!」と後ろから声を掛けられた。

 その声は高校時代にほぼ毎日聞いていたままの太一くんの声だった。

 ここですぐに振り返る事が出来ず、足だけを止める。


「…純花?」


 その声で名前を呼ばれるのも10年ぶりだ。
 また太一くんに名前を呼ばれる日が来るなんて思ってもいなかった。

 軽く息を吐いて気持ちを落ち着かせてから、ゆっくりと振り返ると太一くんは驚いた表情をしていた。


「…太一くん」

「…久しぶり。まさか本当に純花だって思わなかった」

「ね、本当。偶然」


 本当は太一くんが私に気付く前に気付いていたけど、知らなかったふりをしてそう白々しく会話をする。

 それから当然親し気に会話なんて出来なくて、気まずい雰囲気が漂っている。


「ごめん。ちょっとびっくりして声掛けただけ」

「そっか、元気そうだね」

「まあ、普通。純花は?」

「私も、それなりに元気だよ」

「てか、仕事帰り?遅くね?」

「年末だからね。忙しいんだよ」


 そう会話をして私の手元の袋に目をやると「だからってさ…」と呟いていた。今は何となくコンビニ弁当を食べる毎日だとバレるのが恥ずかしくて、後ろに慌てて隠す。

 実際自炊とかしていないけど、好きな相手にそんなの知られたくはない。
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