Reunion love.
 太一くん、そういうところだって。
 そういう優しい表情で時々話すところが期待するんだよ。

 もし私が本当に吹っ切れていたとしても、今の表情で彼への気持ちを簡単に思い出せるほどの表情だったと思う。

 今まで見えてなかったのに、どうして1年経ってから太一くんのそんな表情見ちゃったんだろう。まだ、振り向かせたいと思っている時に、その表情を見れていたら頑張れたのに。

 …そもそも太一くんを好きだと言っていた状況じゃ、ここまで話してくれなかったのかもしれないけれど。

 どれもこうだったらよかった、とたらればばかり語って結局肝心なところ進めていない。

 店員がそのタイミングでおかわり分の生ビールをテーブルにおいて、私はそれを飲み干す。

 それから空になったジョッキをテーブルの上に置いて、太一くんの方を見た。


「そろそろ帰ろうか。終電も近付いてきたし」

「もうそんな時間?帰んないとな」


 そういいながら太一くんも腕時計を見ている。それから「勘定いいっすか」と店員に声を掛けていて、鞄の中から財布を取りだした。


「何やってんの。いいよ、俺出すから」

「いい。今日は私が誘ったし、迷惑かけたし」

「はあ?そんなの気にすんなよ」

「いいから!昨年私の為にってご飯連れてってくれた時、おごってくれたでしょ!自分が誘ったからって。今日は私が誘ったから私の番!」


 もうこれ以上、優しさを受けないようにしないと、バカな自分はすぐに期待をするから。

 前に男性は好きな女性にであればご飯は当然奢りたくなると言っているのを何かで見た。もちろんその考えだけではないとはわかっているけれど、そんな考えにも希望を見出しそうになるほどなのだから困る。
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