Reunion love.
 しばらく歩きまわってから、薄暗い場所に何か所か椅子が設置されていて、そこに太一くんと横並びで座る。


「何か飲み物買ってくる?」

「ううん。大丈夫。後で出た時に一緒に買いに行こう」


 気を遣ってくれる太一くんにそう答えて、目の前に広がっている水槽を眺める。


「水族館って雰囲気が良いよね。デートの定番として選ばれる理由がよくわかる」

「何、分析?」

「いや、単純に何でデートで水族館って定番スポットとして選ばれるんだろうって高校生の時は思ってたんだよね」

「何で?」

「その時は私の考えが子供過ぎて、魚見て歩く事の何が楽しいの?って思ってた」

「ロマンチックさも何も無い事言うな」

「ロマンチックさを太一くんに指摘されるとは思ってなかったけどね」


 そう言うと太一くんも「確かにな」と言いながら笑っている。

 高校生の時一度だけ太一くんと水族館に来ていた。その日が楽しくなかったわけではないけれど、どちらかと言えば遊園地とかはしゃぎまわれるような場所がその当時の私は好きだった。


「今度は遊園地でも行ってみる?」

「好きじゃないのに?」

「純花好きじゃなかったっけ?」

「え…、何で?」

「行きたいって言ってた気がするから?」


 その時の会話をまさか今も覚えているなんて思わなかった。

 遊園地に行きたいって言ったら太一くんは好きじゃないって言い放っていたし、この人と行くことは無いだろうなと諦めてすらいた。
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