鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「まあまあ、なにかしら考えがあるんでしょう。なんだかんだ牧野ちゃんはあの部長についていってるし、見込みがあると思われてるのかもよ」
「いやいやいや、それはないですよ。毎日叱られてるんですから……」
「叱られてるからこそだよ。打てば響くってね」

 ほどよい力で打ってくれるならばいいが、孝仁に打たれたらぺしゃんこに潰れてしまいそうだ。それを想像すると恐ろしくて、思わずぶるっと身震いをする。

「部長に打たれるなんて嫌だ……篠田さんに優しく教えてもらいたかったです」

 再び篠田に縋りつけば、篠田は優しく慰めてくれる。

「ほらほら、そんなしょげないで。愚痴なら聞いてあげるから」
「篠田さーん」

 乾杯すらまだだというのに、梢は質の悪い酔っ払いのごとく篠田に泣きついた。

 周囲にはほかの同僚もいるが、誰も二人の空間を邪魔してはこない。ただ梢に向けて、哀れみの目を向けていた。

 その状況は送別会が始まってからも変わらなかった。篠田に愚痴を聞いてもらい、慰めてもらう。そうして内に溜まった負の感情を吐き出していけば、一時間も経つころには随分とすっきりしていた。
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