鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「私、彩芽さんと戦います」
「……は?」
「さっきまでは自信がなくて不安だったんですけど、部長とこうして話ができたから、もう大丈夫です。言われっぱなしのまま、逃げたくありません。部長のことはもちろんですけど、コンテストでも負けたくないんです! 正々堂々と勝負してきます。だから、見守っていてくれませんか?」

 闘志を燃やしながらそう語れば、孝仁は珍しく驚いた表情をして固まっている。

「あ、あの、部長……?」
「ふっ、ははは! そうか、そうか」

 孝仁は目尻に皺を寄せ、肩を揺らして笑っている。

(えっ、部長が笑ってる!?)

 ここまではっきりと笑う孝仁を見るのは初めてだ。きっとほかの同僚も見たことないに違いない。

 そう思うと自分だけがこの人の特別なのだと感じられて、なんだか満ち足りた気持ちになった。

「よし、わかった。牧野のやりたいようにやるといい。私の心は完全に君のものだが、コンテストはきっと厳しい戦いになる。全力で戦ってこい」
「頑張ります! 部長に指導してもらっている者として、絶対にいい結果を残してみせます!」
「その意気だ、牧野。応援している」

 心強い応援だ。ますますやる気が満ちていく。

 会社を出たときは不安でいっぱいだったのに、今はとても前向きな気持ちになっている。孝仁が梢に自信を取り戻させてくれたおかげだ。

 孝仁のためにも、彩芽には絶対に負けられない。梢は全力で挑んでやると強く、強く意気込んだ。
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