999本のひまわり
【向日葵の丘】
土曜日、私達はドライブをしてひまわりを見に出かけた。

そこは『向日葵の丘』と呼ばれるだけあって一面のひまわり畑でまさに圧巻だった。

真っ青な空に白い雲。
緑の草原の中に鮮やかな黄色が重なるかのようにたくさん植えられていた。

日差しが強いからと二人で一緒に日傘に入る。
他の人の迷惑になるかと思っていたら、熱中症対策でなるべく日傘に入ることを推奨されていて少しほっとする。

「すごい量のひまわりだな」
「ええ。30万本も植えてるんですって」
「どおりですごいわけだ」
「綺麗よね」

「うん。何となくだけどさ、千夏ってひまわりみたいだよね」
「え?初めて言われた」

「まっすぐでいつも上を向いてる感じがする」
「えー。なんだか恥ずかしいわね」

「ちょっとかっこいい所も千夏っぽい」
「もし私がひまわりなら、樹さんは太陽ってことになっちゃうわよ」

「・・・いつも俺のことを見てるってこと?・・・それは嬉しすぎるだろ・・・」
樹さんにも恥ずかしくなってもらうつもりで言ったのに、嬉しすぎるなんて言われたら私の方が照れちゃうじゃない。

人工的に作られた小道を、ひまわりを眺めたり写真を撮ったりしながらゆっくりと並んで歩いた。

時折出てくる東屋やミストが令和の夏を感じさせた。

樹さんに日傘を持ってもらって二人でおしゃべりをして笑い合う。


こんな二人で過ごすこの瞬間がとても愛おしく思えた。







< 3 / 7 >

この作品をシェア

pagetop