至上最幸の恋
 私のせいで、黒瀬さんに余計な気を遣わせてしまったみたい。これからは、もっと慎重に行動しないといけないわね。

 もともと、一直線になりすぎるところがあると言われているし。自分を見つめ直す、いい機会だと思わなくちゃ。私のなにげない言動で、周りの方たちに迷惑をかけるかもしれないもの。

「あの……本当に磯崎さんのこと、なんとも思っていないんですか?」

 しばらく無言で車を走らせたあと、黒瀬さんはぽつりと言った。

「現場で見る限り、磯崎さんは真面目で誠実な方だと思いました。エリサさんにもほかのモデルさんたちにも、軽々しく接している感じはまったくありませんでしたし。きっと、モテるから噂ばかり先行しているんでしょうね」

 よかった。黒瀬さんは、ちゃんと見ていてくださったのね。

 磯崎さんは本当にお仕事熱心だし、私たちモデルだけでなく、スタッフひとりひとりにも丁寧な対応をされる方だもの。そのお姿を見ていれば、週刊誌に書かれていることが本当ではないと分かるはずだわ。

「少なくとも、相手として反対すべき人だとは思いません。だから、もしエリサさんが本気で磯崎さんのことを好きなんだとしたら、僕は応援します。前にも言いましたけど、事務所を説得する方法を考えますから」

 高梨さんの前ではあんなに縮こまっていたのに、いまは別人みたいに頼もしく見える。
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