至上最幸の恋
「うーん、やっぱり綺麗だわぁ、エリサちゃん」

 ヘアメイクさんが、うっとりした表情で頷く。
 今日は甘めのファッション特集だから、ピンクが主体の仕上がりになっている。こういう色味は、昔からよく似合うと言っていただける。

 そして総レースのガーリーなワンピースを着て、不思議の国に迷い込んだようなセットの中で、撮影が始まった。

「少し斜め上に視線を向けて……いいね、そのまま」

 いつものように、磯崎さんの穏やかな声が飛んでくる。
 その声が耳に届くたび、瑛士さんの面影が胸の奥ににじんだ。

 撮影に集中しなくちゃ。こんなことで心が乱れるようでは、プロ失格よ。
 いまは余計なことを考えず、磯崎さんの指示通りにしなくちゃ。

 気持ちを立て直して、レンズを真っすぐ見つめた。
 すると磯崎さんはシャッターを切る手を止め、私を見た。どうしたのかしら。

「……エリサちゃん、無理していない?」
「な、なにかおかしかったですか?」
「いや、そうじゃないんだけど……」

 磯崎さんは言葉を探すように、視線を宙に漂わせた。周囲の空気が、わずかにざわつくのが分かる。

「うん、いったん休憩を入れようか」
「え……」

 まだお昼までには時間があるのに。私、なにかまずいことをしてしまったのかしら。
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