至上最幸の恋
「僕はね、自由で軽やかで、どこにでも飛んで行けそうなエリサちゃんが撮りたいんだ」
自由で、軽やか。いまの私は、そのどちらからも遠い気がした。自分の心に鍵をかけて、誰にも迷惑をかけないようにと、そればかり考えていたから。
「忘れようとするのか、それとも想い続けるのか。それはエリサちゃんが決めることで、僕は口出しできない。だけどカメラの前でだけは、自分を解き放っていいんだよ」
「で、でも、ご迷惑をおかけするわけには」
「誰に?」
「事務所と……あ、浅尾さんに」
「そんなの、言葉に出さなければ分からないよ。ファインダー越しに、僕が感じるだけだ」
私が私でいること。磯崎さんは、それを望んでいらっしゃる。
胸の奥で、閉じ込めたはずの熱がそっと息を吹き返す。
笑うことも、惹かれることも、ときめくことも。心の動きを押さえ込んで、きれいに整った顔だけを差し出せばいいのだと思っていた。でも、それでは足りないのだと、磯崎さんは言っている。
「エリサちゃんの魅力は、ちゃんと心が動いているところにある。心を閉じたままだと、ピアノの音にも出てしまうんじゃないかな」
磯崎さんの言葉が、固く結んだものを少しずつほどいていく。
それは、3年前に瑛士さんから教わったことでもあった。大切なのは技術ではなく、心の動きなのだと。
自由で、軽やか。いまの私は、そのどちらからも遠い気がした。自分の心に鍵をかけて、誰にも迷惑をかけないようにと、そればかり考えていたから。
「忘れようとするのか、それとも想い続けるのか。それはエリサちゃんが決めることで、僕は口出しできない。だけどカメラの前でだけは、自分を解き放っていいんだよ」
「で、でも、ご迷惑をおかけするわけには」
「誰に?」
「事務所と……あ、浅尾さんに」
「そんなの、言葉に出さなければ分からないよ。ファインダー越しに、僕が感じるだけだ」
私が私でいること。磯崎さんは、それを望んでいらっしゃる。
胸の奥で、閉じ込めたはずの熱がそっと息を吹き返す。
笑うことも、惹かれることも、ときめくことも。心の動きを押さえ込んで、きれいに整った顔だけを差し出せばいいのだと思っていた。でも、それでは足りないのだと、磯崎さんは言っている。
「エリサちゃんの魅力は、ちゃんと心が動いているところにある。心を閉じたままだと、ピアノの音にも出てしまうんじゃないかな」
磯崎さんの言葉が、固く結んだものを少しずつほどいていく。
それは、3年前に瑛士さんから教わったことでもあった。大切なのは技術ではなく、心の動きなのだと。