至上最幸の恋
 夕子さんの後ろで、黒瀬さんがうんうんと頷いている。相性がいいって、こういう意味で仰っていたのね。

 私が想っているのは、瑛士さんだけ。それは、この先も変わらない。
 だけどもし、夕子さんの仰ることが本当だとしたら……。

「そろそろ再開しようか」

 磯崎さんが声をかけてきた。

「寒くない?」
「はい、大丈夫です」
「よかった」

 こんなふうに優しく微笑んでくださるのは、私だから?
 ううん、まさかね。磯崎さんは、どなたにでも優しい方だもの。

 集中しなくちゃ。大切なお仕事なんだから、余計なことを考えてはだめ。
 ひとつ大きく息を吐いて、気持ちを切り替えた。
 
 その後、撮影はとても順調に進んだ。

 スタジオでの撮影だと、いつもとは違う自分を求められることが多い。だけどこの写真集では、素顔の私を撮っていただく。

 これは、磯崎さんでなければできないこと。絶妙な距離感でリードしてくださるから、私も自然体でいられた。

 幸いお天気にも恵まれて、撮影は予定通り6日間で終了。残りの1週間は、まるごと自由に過ごせることになった。

 スタッフのみなさんも同じスケジュールで、久しぶりにまとまった休みが取れると大喜び。きっと磯崎さんが、みなさんのことを考えて調整されたのね。

 そして、撮影が終わった翌日の夜。全員参加で、ささやかな打ち上げが開かれた。
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