至上最幸の恋
 場所は、撮影でもお世話になったピアノカフェ。貸し切りだから、みなさんとてもリラックスしている。

 お酒が苦手な磯崎さんと私は、アップルジュースで乾杯。そして念願のウィーナー・シュニッツェルを前に、磯崎さんは目を輝かせていた。

「あぁ、美味しいなぁ。ようやく食べられたよ」
「ふふ、最高のご褒美ですね」

 美味しいものを前にすると、磯崎さんは少し子どもっぽくなるみたいね。そういうところも、この方の魅力なのかもしれない。

 そういえば瑛士さんも、とても美味しそうに召し上がっていた。

 あのときは、いつもお腹を空かせていると仰っていたけれど……いまごろ、奥さまの手料理を召し上がっているのかしら。

「エリサさん?」

 黒瀬さんが、心配そうに顔を覗き込んできた。いけない。つい瑛士さんのことばかり考えてしまったわ。
 
「具合でも悪いですか?」
「い、いえ。少し考えごとをしていただけです。すみません、みなさんが楽しんでいるのに」
「お疲れが出ているのであれば、早めに切り上げても」
「大丈夫です! せっかく美味しいお料理をいただけるのに、早く帰るなんてもったいないですわ」

 こんなときまで、黒瀬さんにご心配をおかけしてしまうなんて。自分が情けない。

 みなさんのおかげで、無事に撮影を終えられたんだから。私のほうが、みなさんを労って感謝しなくちゃいけないのに。
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