至上最幸の恋
 けれど、その未来に磯崎さんがいるのかと考えると、胸の奥で小さくなにかが引っかかる。
 磯崎さんは、とても素敵で尊敬できる方。心から信頼しているし、お話しするのも楽しい。

 それでも、支えていただくというのは、どこか違う気がする。

 私は誰かに支えていただきたいのではなく、自分の足で立って、この想いを大切に抱えていきたいのかもしれない。

 まだ、自分の想いをうまく言葉にできない。だけどきちんと考え抜いて、磯崎さんには誠実にお返事しないと。

 答えを急いではいけない。けれど、目を背けてもいけない。
 そう思いながら歩いているうちに、足は自然と市民公園へ向かっていた。

 木々のあいだを抜ける風は、まだ少し冷たい。それでも春の気配は確かにあって、やわらかな光が芝生の上に落ちている。

 ここで瑛士さんと過ごした時間は、本当に夢のようだった。

 瑛士さんは私を支えようとしてくださったわけではない。けれど私の世界を鮮やかに変えてくれた。そのことだけは、どうしてもなかったことにはできないわ。

 あの日、瑛士さんが絵を描いていたベンチに腰を下ろす。
 しばらく座っているうちに、あっという間に空が茜色に染まりはじめていた。

 寒くなってきたし、そろそろ戻らなくちゃ。

「あ、エリサさん」

 ホテルの前で、黒瀬さんに声をかけられた。なんだか、たくさん荷物を持っていらっしゃるわ。
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