至上最幸の恋
そのとき、カランと音を立てて、お店のドアが開いた。
そこから覗いた顔を見た瞬間、思わず息を呑む。
一瞬、ウィーンで出会ったころの瑛士さんが、そこに立っているように見えた。
「瑛士さ……」
「あれ、母さん」
呼びかけようとして、はっと我に返る。お店に入ってきたのは、息子の桔平だった。
「珍しいな、こっちに出てきてるなんて……って、どうしたんだよ。そんなに目を見開いて」
隣に腰かけながら、桔平が怪訝な顔をする。
本当にそっくりなんだもの。瑛士さんが帰ってきたように見えてしまったわ。
「瑛士さんが生き返ったのかと思っちゃった」
「また言ってるよ」
「だって似ているもの。ねぇ、慧さん?」
「ああ。本当に瓜二つだ」
桔平のミックスジュースを作りはじめながら、慧さんが笑った。
桔平は外見だけでなく、喋り方やしぐさまで瑛士さんによく似ている。きっと記憶の中にいる父親へ、強い憧れを抱いてきたからなのね。
「桔平、個展の準備は順調なの?」
「ああ。スミレが、ほとんど進めてくれているしな」
スミレさんは、東央新聞に勤める桂木さまのお孫さん。そして、かつて瑛士さんを桂木さまと引き合わせてくれた、秋津幸太郎さんの部下でもある。
人の縁って、不思議だわ。いろいろな場所で、いつの間にかつながっている。
そこから覗いた顔を見た瞬間、思わず息を呑む。
一瞬、ウィーンで出会ったころの瑛士さんが、そこに立っているように見えた。
「瑛士さ……」
「あれ、母さん」
呼びかけようとして、はっと我に返る。お店に入ってきたのは、息子の桔平だった。
「珍しいな、こっちに出てきてるなんて……って、どうしたんだよ。そんなに目を見開いて」
隣に腰かけながら、桔平が怪訝な顔をする。
本当にそっくりなんだもの。瑛士さんが帰ってきたように見えてしまったわ。
「瑛士さんが生き返ったのかと思っちゃった」
「また言ってるよ」
「だって似ているもの。ねぇ、慧さん?」
「ああ。本当に瓜二つだ」
桔平のミックスジュースを作りはじめながら、慧さんが笑った。
桔平は外見だけでなく、喋り方やしぐさまで瑛士さんによく似ている。きっと記憶の中にいる父親へ、強い憧れを抱いてきたからなのね。
「桔平、個展の準備は順調なの?」
「ああ。スミレが、ほとんど進めてくれているしな」
スミレさんは、東央新聞に勤める桂木さまのお孫さん。そして、かつて瑛士さんを桂木さまと引き合わせてくれた、秋津幸太郎さんの部下でもある。
人の縁って、不思議だわ。いろいろな場所で、いつの間にかつながっている。