至上最幸の恋
 瑛士さん。私たちの子どもたちは、どこに出しても恥ずかしくないくらい、とても立派に育ちましたよ。

 限られた時間の中でも、子どもたちを心から愛し、信じてくれていた。あなたが注いでくれた愛のおかげでもあります。

 嬉しそうに愛茉ちゃんの話をする桔平を見て、なんだか胸がいっぱいになった。愛する人がいるって、とても素敵なことね。

 人生には、なにが起きるか分からない。そして命の長さも、誰にも分からない。

 だから、愛する人と出会ったら、目いっぱい愛する。子どもたちも、私たちのそんな生き方を受け継いでくれたみたい。

 その日、家に帰ってから、瑛士さんの手紙を読み返した。この手紙は、あのオルゴールと一緒に、いつでも取り出せる場所に置いている。

 何度読んでも私に力をくれる、その手紙の最後には、こう書いてあった。

『長生きはできなかったが、これ以上ないほど幸せな人生だったと、胸を張って言える。エリサと出会ったからだ。オレにとっての、至上最幸の恋だよ』

 唯一無二で、至上最幸の恋。それは、私にとっても同じだわ。

 手紙をそっと閉じて、隣に置いてあるオルゴールのぜんまいを巻く。「愛の夢」の旋律が、静かな部屋に流れはじめた。

 出会った日の瑞々しい感情は、いまもこの胸の奥にある。あの日、景色が一気に輝いて、不安も恐れも、なにもなくなったの。

 あのころから始まった瑛士さんとの愛の夢は、いまも胸の奥で続いている。

 ねぇ、瑛士さん。ずっとずっと、大好きです。
 私はこれからも、あなたが遺してくれた宝物たちと一緒に笑顔で生きていきます。

 そして、いつかそちらへ参ったときは……また、私と結婚してくださいね。


【至上最幸の恋・完】
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