至上最幸の恋
「昨年末に下の姉が結婚して、きょうだいの中で独身は俺だけになったんです。『修二はまだ結婚しないのか!』って、親戚からうるさく言われるんですよね。あ、修二って俺の名前です」

 物静かな方かと思っていたけれど、結構おしゃべりみたい。楽しそうに家族のことをお話しする様子が、とても微笑ましいわ。

「あ、なんだか俺……いや、僕のことばかりで、すみません」
「いいえ。とっても楽しいですよ」
「えっと……エリサさんって、どうしてモデルになったんですか?」

 あら、今度は私の番ね。そうよね、お互いのことを知らないと。

「ピアニストだけでもいいと思うんですけど。そもそも、働かなくても暮らしていけるわけでしょ」
「そうかもしれません。だけどピアノもモデルも、私にとっては必要なものです」
「あ、すみません! 変な言い方をしてしまって。ただ裕福な家の女性は、家事手伝いをしながら花嫁修業をしてっていうイメージがあって」

 確かに、そういう方は多いのかもしれない。女性が働きに出ても、男性との格差でなにかと苦労をすることが多いと聞くし。裕福な家庭であれば、大切な娘にそんな想いをさせたくないと思うのは当然よね。

 だけど私の場合は、一般企業とは違うもの。それにパパもママも、私がやることを応援してくれている。
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