始まりは一夜の出会いから
「待ってますから、連絡来るの。あれプライベート用なので」


 そう言った所でチーンと音を立てて、エレベーターがフロアに到着した。


「有咲さん、ありがとうございました!また!」


 手を振ってエレベーターを降りていく。

 悔しい。揶揄うだけ揶揄われて遊ばれた。
 もう、2度とはこんな事はさせない!

 と考えながらも急いで1階まで降りて受付に戻った。


「え、顔真っ赤じゃない?熱?」

「 走ったからかな!」


 落ち着かせようとパソコンのキーボードに触れる。

 もうしばらくデートも男の人と触れ合うなんて無かったのに、急にあんな遊び人と そういう関係になるなんて。

 もう関わりたくないし、連絡なんて2度としない。

 恋なんてしないと決めているのだから、気になりだす前にこの関係を断ち切ろう。恋なんてしても面倒で、またどこかで裏切られるだけだ。

 恋の始まりの予感をこうして自ら言い聞かせて断ち切っていった。
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