始まりは一夜の出会いから
「初めまして。佐々木 新です。この度はお時間作っていただいてありがとうございます。ご挨拶も遅れてすみません」

「そんな固くならなくて良いのよ。私達も本社勤務で遠くにいるとかいろいろ有咲からも聞いていたし。玄関先もなんだから上がって!中で話しましょ!」


 母に言われるがまま中に入ってそのままリビングに2人で顔を出すと、ソファーに祖母、ダイニングテーブルの席に父が着いて新聞を読んでいた。

 だけど緊張しているのか、その新聞は反対だし。
 そんな典型的なドジしないでよ…、恥ずかしい。


「お父さん、おばあちゃんただいま」

「お、おう!お帰り!久しぶりだな!有咲!あはははは!」


 テンションが変。おまけに笑い方まで変。
 父もきっと緊張で上がってしまっている。

 祖母はこちらに顔を向けて「おかえり」と緩く挨拶を返してくれている。


「お邪魔します。佐々木 新です」


 父と祖母に向かって挨拶をする新くん。

 父は息を飲むと「よ、よく来たね。座りなさい」と促され、こちらを見る新くんにうんと首を縦に振って、それを見るなり父の前の席に座る。

 そのタイミングで母がお茶を出してくれて、私の前の席に母も腰を下ろした。

 結婚挨拶なんて当たり前だけど、初めての事だから凄く緊張する。
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