始まりは一夜の出会いから
「…世界一幸せにします」


 新くんの静かだけど決意が感じられる声に家族全員の目が向く。

 その言葉に偽りはないと証明する様に両親の顔を見返して、真剣な表情をしていた。

 私にとって貴方とこうなれていることがもう幸せな事なのに、これ以上の幸せ望んでも良いのだろうか。


「…うん。有咲も新くんを幸せにする気で一緒に居るんだよ」

「はい、お父さん」


 お父さんの言葉に返事をして新くんを見ると、ほんの少し泣きそうな表情をしていた気がした。

 でもそれがきちんと喜びによるものだと分かっていて、私もその表情を見て涙が溢れそうになる。


「さ!今夜はお寿司でも取りましょうか!」

「いいな!いつもより少し高い所でも…」

「ごちそうが良いわよね。新くんお寿司好き?」

「はい!好きです!」

「良かった!茶碗蒸しも付けちゃいましょうか」


 そう言って笑いながらスマホに触れて画面を操作している。

 新くんとの事、反対されるなんて当然思っていなかったけど、喜んでくれた事が凄く嬉しかった。

 これも全て新くんの人柄と誠実な態度のお陰だと思う。
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