始まりは一夜の出会いから
「そんな新くんとだから子供欲しいって思ってる。今はそんな風に思えなくても、いずれ出来たらって、思ってるよ」

「…俺も、言い方間違えたなって思ってる。あの時は、ごめん。上手く言えなくて」


 謝罪の言葉を申し訳なさそうに口にする新くんに首を振って、そんなに申し訳なさそうな顔をする必要はないと伝える様に笑顔を向けた。

 いつかそんな未来もあるかと思って貰えたらそれでいい。

 謝ってほしくてこの話をしたわけでも、あの時勇気を出したわけでも無いのだから。



「…勇気が出なかっただけ。有咲の遺伝子が入った子供が愛おしくない訳ない。分かってるけど、問題は俺の方で」

「最初から私だって親にはなれないよ。だから、2人で成長していきながら、出来たら良いなって、思ってる」


 そんな私の言葉に響く物があったのか、新くんは少しだけ笑みを浮かべて「本当、有咲には敵わない」と言葉にしていた。

 そんな私達が親になるのは、まだ少し先の話。
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