始まりは一夜の出会いから
 佐々木さんは、その事実を知っているのだろうか。


「え、私も美月と大学同じです」

「知ってますよ、1回俺振られてるので」


 そう言いながら笑う佐々木さんに身に覚えなんて無かった。

 振られてるってどういうこと?
 佐々木さんに告白なんてされた記憶がない。


「え?あの、記憶に無いのですが…」

「有咲さんの事、紹介してって言った事があって、そしたら恋愛する気が無くてごめんなさいって花澤さん経由で聞かされました。有咲さんは大学でも人気があったので、直接言えなかった俺の事なんて覚えていなくて当然です」


 確かに美月が1回だけ、紹介して欲しいって言われてるんだけど会ってみない?と言われた事があった。

 それが佐々木さんだったってこと?

 まさかこんな所でそんな偶然が起こるなんて、と驚きと申し訳なさで言葉が出なかった。


「だから、合コンに来てくれるって聞いてちょっと嬉しかったんですよね。あの時紹介してって言ってた女の子来るよって聞いて」


 美月は最初からこの状況狙ってたのかも。

 あの時の誘い方は、どこか必死で珍しく執拗だった。
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