始まりは一夜の出会いから
「まず、あの日の事を有咲さんが謝る必要はありません。お酒に酔わせて連れていったのは俺です」


 私が悪い事を佐々木さんは自分が悪いと言ってくれる。その言葉に首を横に振った。

 どこまで優しいのか。この人。

 いっそ本当ここまで来といて酷い女だと言われた方がマシだった。優しくされると苦しくて仕方がない。


「それと、有咲さんが恋愛する気が無くても、俺が有咲さんを好きだという事は変わらないので、勝手に好きでいます」


 手を掴んで、私の顔を見上げるようにして笑顔で言う。


「えっ、え、ええ!?」


 動揺する声を抑えきれず、間抜けな声が出る。

 満足そうに笑う佐々木さんに、この人は危険だと私の中の信号が点滅した。

 私が恋に落ちない様にする͡事は出来ても、貴方からの恋に逃げる事は考えていなかったから。


「無理に恋をしろとは言わないので、逃げないので俺からの気持ちは受け取ってくださいね?有咲さん」

「む、無理です。そんなの、聞いてません」

「なら何度でも言います。好きですよ、有咲さん」


 この恋から、私は落ちないで耐えられる…?
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