始まりは一夜の出会いから
「有咲もしっかり佐々木さんと話し合わないとね。何も決まってないんでしょ?」

「…うん。佐々木さんは転勤しないって言ってたけど、だけどそれが私のせいなんじゃないかと思ったら、近くに居ない方が良いんじゃないかなんて思えてしまって…」

「いや、違うでしょ」

「え?」


 美月のあまりにも食い気味の否定に少し驚いた。
 何なら少し呆れた表情をしている。


「意外と何も伝わってないね。というか、佐々木さんが意外と伝えるの下手?」


 そんな風に笑う美月に私は何も理解出来ない。

 どうして美月はいつも佐々木さんの事を理解出来ているのだろう、付き合いが長いから?


「…羨ましい。佐々木さんの事分かるの」

「分かってるんじゃないの。分かりやすいだけ。出来ればあんな男の事なんて理解なんかしたくないもん」


 分かりやすい…?新くんが?
 美月の言葉が理解できない。


「…有咲、今日飲みに行こうか」

「へ?今日?」

「週末だし良いでしょ?たまには佐々木さんに邪魔されないで私と!」


 そう言われて断る理由はないので応じる。

 確かに美月と最近2人でいけていないし、私も少し飲みたい気分だった。
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